研修医1年目の華岡です。
わたしは日本漢方を大学2年生のころから細々と勉強し、約5年間となりました。
最初に漢方に興味を持ったのは、母親の「これからは東洋医学や。切ったり貼ったりだけでは病気は治らない。」という一言からでした。
単純なわたしはそうなのかと納得し、漢方を勉強し始める訳なのですが、今考えるとお母様ありがとうございます。
漢方の勉強は今の自分の考え方にも大きな影響を与えています。
少し、漢方について説明させてください。
漢方と西洋医学の大きな違い
漢方と西洋医学の大きな違いに関して、私は3つ存在すると考えます。
1つ目は、心と身体の生理学的なメカニズムが陰陽五行説というが同一の理論で説明される。
例えば、月経中の女の人では肝の気が疏泄作用が失調しているとイライラしやすくなります。
肝は気の疏泄作用、つまり気を滑らかに流す作用の他に、血を臓すという役割があります。
月経により血が失われると肝の中での陰陽バランスが失調します。
つまり、陰=血が失われ、相対的に陽=気が亢進するのです。
それによって、イライラが発生します。
この症例に対して、加味逍遥散などで肝の気を滑らかに流れるようにしてあげることで、
「イライラ」も「月経痛」も改善され得ります。
不定愁訴に効くと言われるのはこの所以だと考えます。
つまり、心と身体の陰陽のバランスを整えることで不定愁訴にも効くということです。
2つ目は、漢方処方は最高でも3日間。
最近では、患者さんの都合や、医者の勉強不足でだらだらと同じ漢方を飲み続けるあるいは出し続けることもあるのですが
基本、漢方の処方は常に変わりゆく体の病態に応じて処方が変わります。
例えば、風邪でも風邪の初日と風邪の3日目でも処方は変わってきます。
3つ目は、未病を治すという概念です。
未病という概念は「聖人は既病を治すのではなく、未病を治す」という黄帝内経の記述で登場します。
黄帝内経は現存する中国最古の医学書と言われています。
約2000年以上前の中国に未病を治すという概念があったことには驚きです。
そして、2000年たった今、「予防医学」が取り上げられ、巷に色々な情報が飛び交っていますが
この課題に関しては一進一退の様な気がします。
西洋医学では診断しかねるような体の不調にも漢方では介入することができ、治療することができます。
漢方とは
では、そもそも漢方とはなんなのでしょうか。
漢方は、治療に対する人間のからだの反応を土台に体系化した医学といえます。
古代中国に発するこの経験医学が日本に導入されたのは5~6世紀頃。
日本の風土・気候や日本人の体質にあわせて独自の発展を遂げ、日本の伝統医学となりました。
17世紀頃、特に大きく発展して体系化され、現在へと継承されています。
漢方という名称の由来は、日本へ伝来した西洋医学である「蘭方」と区別するためにつけられたものであり、
もちろん、中国の伝統的な医学である「中医学」とも異なります。
まさに漢方は、日本独自の医学なのです。
漢方のツムラより
そうなんです!
漢方は時代に応じて大陸(主に中国)の影響を明確に中医学とは区別され日本の伝統医学なのです。
どうですか?少しは興味を持ってもらえましたでしょうか?
次回もう少し、加えて紹介をしていきたいと思います。
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