どうも、「華岡、研修医になるげんて」、略して「はなるん」の研修医一年目の華岡です。
今週から実際に患者さんを担当しており、ある課題にぶつかっております。
それは、患者さんの「本音」を聞き出す。
いきなり研修医1年目、しかも医師として1か月未満の経験のわたしがそれを無しえるには幾分か難題であるのは重々承知です。
ですが、何かこう「患者」と「医師」との関係を抜け出した関係を築きたい、そして人と人として関わっていきたいと強く思う一週間でした。
何か質問はありますか?
アメリカで臨床研修をすると、ドクターが必ず患者さんに最後に言うセリフです。
実際にそれにトライしてみましたが、上手くいっている気がしませんでした。
月曜日から木曜日までそのセリフを言い続け、「質問はいまのところありません。」と返答が返ってきていました。
本当に質問がなかったのかもしれませんが。。。
人によっては質問がさらっとできる人もいるかもしれません。
ですが、自分自身も学生時代に授業の最後に「質問はありませんか?」と聞かれると、なんかあったかな頭の中で「???」となることが多かったです。
さてよ、尋ね方が悪いのかと感じて、金曜日には「何か不安に思っていることはありませんか」と尋ねてみました。
4日間で患者さんとのラポールが形成されたのもあり、「肺の音よくなってるけ?」と初めて質問されました。
私からすれば「質問はありませんか?」も「不安はありませんか?」も対して差が無いような気がします。
ですが、相手が不安に思っている気持ちと同じ目線に立って、相手の気持ちに合わせて「不安はありませんか?」と質問するのと、
ルーティーンで「質問はありませんか?」というのでは大きな違いなのでしょう。
それこそ「相撲からみる日本の作法。そこから見えるコミュニケーション技術」(←クリックしてね。)に書きました。
「あわせ。きそい。そろい。かさね」の中の「あわせ」が大切なのだと実感した瞬間でした。
「あわせ」が上手くいかなければその人の無意識化に眠っている「何か」が呼び起されないのでしょう。
それは、まるで全くつまらなかった飲み会が、自分の好きな話題になった瞬間に楽しい飲み会に代わることに似ているような気がします。
患者さんの笑顔がこぼれる瞬間
どうしても病院にいると、疾患を治すという側面が強くなります。ですが、必ずしも完全に治すことができることばかりではありません。
むしろ一生付き合っていかなければならない病気が大半を占めると思います。
その中で大切なのは、患者さんのQOLを如何に高めること。そこまで本音で会話できることを来週は目指していきたいです。
会話をしていて患者さんの笑顔がこぼれる瞬間がありました。
それは、患者さんの趣味の話をしているときです。
医療というのはどうしても「不安、心配」に繋がりやすいです。
それを少しでもアートの力、音楽の力、テクノロジーの力、そして人間の力で
温かい安らぐものへと変えていきたいと心から思う研修3週間終了時なのでした。
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