NEJM CPSを読み解く1-3 Stream of Consciousness

どうも!華岡です。

今日は5月1日、私の所属する病院が民医連なので、「メーデー」に参加しました。

なんとも変な気分。笑 この強制参加こそ、言論の自由の侵害なのでは?と思うのでありました笑

それでは、本文に。

前回までの記事を参考にしてください。

NEJM CPSを読み解く1-1 Stream of Consciousness NEJM CPSを読み解く1-2 Stream of Consciousness

第三段落

身体診察:発熱なし、alert, and oriented。HR:101bpm、BP : 197 / 100mmHg。心臓、肺、または腹部の検査で異常なし。脳神経、運動および感覚診察は正常。歩行評価および眼球検査は施行せず。生化学:血清Na:140mmol / l、K:5.2mmol / l、Cl:105mmol / l、HCO3:22mmol / l、血清Cre : 3.92mg /l(1年前:1.12mg /l), Glucose : 186mg /l(10mmol /l)。Ca、Alb、肝機能検査の結果は正常範囲内。血算著変なし。ボレリアIgGおよびIgMの初期スクリーニング試験は陰性。

華岡の推論

CPSを読み解く1-2 Stream of Consciousness

鑑別診断は上のリンクを参照してください。

検査結果からのプロブレムリスト

#1高血圧(BP : 197 / 100mmHg)

#2腎機能障害(Cre : 3.92mg /l(1年前:1.12mg /l)K:5.2mmol / l)

高血圧の定義が収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上であるがこの方はかなりの高血圧です。

ハワイでの体験症例

以前、ハワイで診た症例で83歳の女性が突然錯乱状態になり、様子がオカシイということで家族に付き添われ救急外来に受診しました。詳しいことは記憶にありませんが、VSでBPが200/110mmHg、それ以外の身体診察や血液検査、画像検査での異常所見は無く心筋梗塞や脳梗塞、脳出血、SAH、大動脈解離などは否定的でした。Ca拮抗薬により降圧を行った。7時間以内に平均動脈血圧の25-30%以上下げるべきではないとの報告もありました。(JAMA. 2003;289(19):2560. Epub 2003 May 14. )その患者さんは次の日には、昨日の錯乱状態が嘘かのように品のよいおばちゃんになっていました。2日目には何事もなく退院されました。

その話は置いておいて、その他の鑑別診断として、

静脈洞血栓症、慢性硬膜下血腫、水頭症または頭蓋内腫瘍に関しては頭部CTを施行したい。ですが、神経学的な異常がないので、可能性は低いと思われます。

静脈洞血栓症について補足

私自身詳しくなかったので、uptodateを参照しました。

疫学:0.22 – 1.57 / 100,000 女性に多い、平均罹患年齢39歳、65歳以上は8%しかいない!なんということでしょう。動脈系と静脈系の血栓症では罹患年齢がこんなにも違うんですね。

リスク要因:遺伝的または後天性の血栓形成状態(41%)、経口避妊薬、妊娠と産褥、悪性腫瘍、感染症、頭部損傷および機械的沈降剤

・・・85%以上の患者は一つ以上のリスクファクターを持つ

発症様式は、急性、亜急性または慢性。←鑑別診断にとりあえず挙げた方がよさそう。

CVTは、多くの場合、新規の頭痛または頭蓋内圧上昇の症状を呈する。 加えて、局所神経障害、発作、および/または脳症が含まれる。

診断はCT、MRI

治療:low molecular weight heparin (LMWH) もしくは intravenous heparin

肝機能障害、尿毒症、電解質異常、チアミン欠乏、薬物乱用、投薬の副作用。に関しては検査結果から否定的です。

伝染性疾患が風土病である地域への移動・・・ボレリア抗体が測られていますが、検査結果は陰性で、その他の疾患の可能性もありますが、否定的です。

ボレリアとは

ボレリアとはライム病を引き起こす原因菌です。ニューイングランド州ではもちろん報告されています。

遺伝または後天的状態による宿主応答の障害、梅毒、またはマイコバクテリア疾患に関しては謎ですが可能性は低そうです。

要約

高血圧緊急症の可能性が最も高く、その他、頭蓋骨内病変に関してはCTやMRIを施行してみないと結論が出ないかと思います。ただ、神経症状が無い点から、いずれも可能性は低いかと。高血圧の原因として腎性の高血圧も考慮に入れるべきだと思います。一年前から腎機能低下は黄色信号です。尿沈渣も見ておきたいと思います。

プロの推論

この血圧上昇の程度は、高血圧性脳症の懸念を引き起こす。最初の2〜3時間で降圧薬を使用して平均動脈圧を20〜25%低下させる必要があります。より積極的な初期の減少は二次虚血事象につながる可能性がある。その後、血圧は典型的には24時間から48時間の期間にわたって正常範囲に低下され、脳虚血および頭蓋内出血につながる進行性血管形成浮腫を回避する。高血圧脳症のために、多くの専門家は、静脈内ジヒドロピリジンカルシウムチャンネルブロッカー(例えば、クレビジピンまたはニカルジピン)またはドーパミンアゴニスト(例えば、フェノルドパム)の使用を推奨する。ニトロプルシドは、頭蓋内圧を上昇させる可能性があるため避けるべきである。クレアチニンレベルの上昇は慢性または近年であり、腎疾患は尿毒症または腎臓媒介性高血圧の影響により脳症に寄与している可能性がある。急性腎機能障害は、高血圧の緊急事態、糸球体疾患、閉塞性腎症、または非ステロイド性抗炎症薬の使用によって引き起こされる可能性がある。腎結像、尿検査、および尿沈渣検査は実行されます。提示時の患者の症状を考慮して、脳脊髄液は、空洞化病変を除外するために、神経イメージング後にサンプリングされるべきである。

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