笑う門には福来る

笑う門には福来たる。

笑うと健康に良い。直感的になんだかそんな気がしますよね。

エマニュエル・カントは

笑いは消化を助ける。胃散よりはるかに効く。

と、言い放ち、笑いの健康への効果を言い得ていたり、

ショーペンハウアーは

多く笑う者は、幸福である。多く泣く者は、不幸である。
何ごとも成功までには三段階ある。第一段階、人から笑い者にされる。第二段階、激しい抵抗と反対に遭う。第三段階、それまで笑い者にしたり反対したりした人たちが、いつの間にか「そんなことはわかっている」と同調する。

「笑い」というのが人生に於いて、人々とどのように交差するか述べ、

カール・マルクスは

歴史は繰り返す。最初は悲劇として、 二度目は笑劇(しょうげき)として、過去の亡霊を呼び出し、その由緒ある衣装に身を包み、借りものの言葉を演じる。

更に大きな視点から「笑い」を捉えました。

 

所を変えて、仏教的に笑いを捉えてみると、

優しい笑顔を施すことを、仏教では「和顔悦色施(わげんえっしょくせ)」と言いうそうです。

 

と、前置きが長くなりましたが、様々な人が笑いがポジティブそして健康や幸福に繋がるものと捉えていました。ですが、「笑い」と健康の関係というのは医学的にまだ不明点が多いです。

 インドの医師が「笑いヨガ」という取り組みをしたり、数十人単位のRCT研究で笑い介入により空腹時血糖が低下するというものなどを過去に読んだことがありました。

 今回ご紹介する研究は、

Does laughter predict onset of functional disability and mortality among older Japanese adults? the JAGES prospective cohort study

という、日本人14,233名を3年間追跡したコホート研究です。

 因みにコホート研究とは特定の要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較することで、要因と疾病発生の関連を調べる観察的研究のことを言います

上記の論文では、

 3年間の追跡でデータを分析し、65歳以上で日常生活の活動を独立して行うことができ、JAGES研究に参加した14,233人(男性50.3%)を分析しました。 参加者は、笑いの頻度に応じて4つのカテゴリに分類されました(ほぼ毎日、1〜5日/週、1〜3日/月、およびまったくまたはほとんどない)。 コックス比例ハザードモデルを使用して、各カテゴリの機能障害と全死因死亡のリスクを推定されました。

結果として、

 追跡調査中に、605名(4.3%)の個人が何らかの機能障害を発症。659名(4.6%)の死亡が記録。 潜在的な交絡因子を調整した後、笑いの頻度が減少すると、機能障害の多変量調整ハザード比が増加(p = 0.04)。

 機能的障害のリスクは、ほとんど毎日笑った人よりも、笑わなかった人またはほとんど笑わなかった人の1.42倍高く、 全死因死亡のリスクとの関連は観察されませんでした(p = 0.39)。

 以上の結果より、笑いの頻度が低いと、機能障害のリスクが高まり、 笑いは、後年の機能障害の早期予測因子である可能性がありと示されていました。

 

 こんな研究できるのが羨ましく、ワクワクしますね。私も早く研究したい。

 

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