医療の価値とは

どうも、華岡です。

保険診療

今日は朝から保険診療の話を聞き、保険診療の仕組み、何故そのような仕組みがあるのかを学びました。

ある呼吸器疾患で急性増悪を今年になってから3回繰り返している患者さんに、入院治療後、外来通院で、ある抗菌薬を使いたいと考えました。

その理由として、アメリカやイギリスの研究では既に急性増悪を繰り返す患者さんに対してその抗菌薬を吸入で使用して菌の除去率やQOLが改善したとの結果が出ていたからです。

保険診療の限界

ですが、早くも日本で出来る処方の限界の壁にぶち当たりました。つまり、その薬剤の吸入という方法では保険診療が出来ない。もし使用するとなると自由診療で多額の自己負担となる。

医療の価値とは

「医療戦略の本質」という分厚い本には医療の価値というのは、

医療の価値=アウトカム/コスト

で定義されていました。

この式は、ランチで美味しい料理を食べたけど、値段が高いと満足しない、あるいは美味しさは普通だが、値段がとても安いととても満足する感覚に似ています。

結局この状況では、患者さんがどのような医療を望んでいるかが大切なのだなと痛感しました。

病気になっているのは私ではない。医者はいろいろ最適な方法を調べて、患者さんに提示し、一緒に最適な医療を決めていきます。

それもアウトカムとコストを考慮して。

私自信、日々論文を検索してどんどん読んでいくことが楽しくて仕方がないです。新しいことを発見していく感覚が特に。

だが、その感情と相手の感情のバランスを保つことが大切だとふと感じました。

Choosing Wisely

Choosing Wiselyという言葉は知っていますでしょうか?

これは、Choosing Wislely は、医のプロフェッショナリズムを実践に移すべく、各学会に対して無駄な医療行為をそれぞれ5つずつリストアップさせ、患者さんにとって最も望ましい医療、つまり high-value careを目指しています。

各学会が出している5 top listsの中には、ウイルス性上気道炎には抗菌薬は投与しないだとか、小児の頭部外傷で全例でCTを施行しないだとか。

しないものリストを挙げたところに新しさがあります。この動きはアメリカやカナダで盛んに行われ、限られた医療資源を守り、そして患者さんに最適な医療を推し進めています。

このChoosing Wisely で強調していることは患者さんとの「コミュニケーション」です。

今回の体験というのはまさにChoosing Wiselyを実感できる瞬間でありました。

明日からまた患者さんと対峙するときに、自分の持っている最善の手札を準備して、最適な医療を目指したいなと思った一日でした。

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