留学からの気づき。全人的医療とは。

こんばんは。研修医1年目の華岡です。

働き始めて2週間が経ち、ようやく病棟業務が始まりました。

初の患者さん担当です。ウキウキの気持ちの反面、ちょっとした責任感を感じています。

といってもまだ、導入の講義を挟みつつな状態です。

 

全人的医療とは

さて、医学部入試を志した時に関門として通らなくてはいけない「医学部面接」。

その医学部面接のときに、どうして医師になりたいと思ったのか、どんな医師になりたいのか、ということを考えなくてはいけません。

その時に、おそらく医学部志望者の中で「全人的医療」という言葉を勉強した人もいるかと思います。

 

はて、全人的医療とはいったい何ぞやと。

ことバンク先生に訊いてみますと。

特定の部位や疾患に限定せず、患者の心理や社会的側面なども含めて幅広く考慮しながら、個々人に合った総合的な疾病予防や診断・治療を行う医療。

by ことバンク

ということらしいです。

今となったら、その言葉の意味やニュアンスがすっと理解されるのですが、それを感得しはじめたのは正直、医学部6年生になってからです。

 

社会的側面からの健康

医学部6年生のときにクリニカルクラークシップで七尾の病院と、台北医科大学、ハワイ大学に書く1か月毎、実習をさせて頂きました。

その他にも、離島医療として、奄美大島や隠岐の島の病院へ見学実習にいったことがあります。

 

日本でも都市部の病院と比較して、離島、僻地となると医療機関が患者さんを見ている視点が広く、そして地域とのつながりも非常に強固なように感じました。

また、海外に行くと社会の見え方がガラッと変わって見えました。

具体的にいうと、台湾の大学病院での患者さんの数が日本の大学病院と比べても2~3倍ほど多く、教授陣になると1日に150人の患者さんを診ている方もいました。

加えて、大学病院内の廊下にはベッドが並べられ、ベッド近くの壁には100とか101とかの番号が書かれていました。

これは、救急外来での患者さんがあまりにも多く回し切れず、待機場所が廊下になっていたのです。

時と場合によっては医師に診てもらうまで1日かかるときもあるそうです。

このあまりにも多い患者の原因として台湾の国民皆保険制度や大学病院志向があるそうです。

この状況が故にも不利益を被っているヒトも少なくはないはずでしょう。

 

また、ハワイでは、担当した半数の患者さんがホームレスであったり、薬物中毒におぼれている方でした。

その方たちの病気は確かに適切な治療をすれば治りますが、その人たちが抱えている問題は全く改善されません。

彼らの病気を治すには根本的な社会の問題を解決しなければなおらないのではないかと感じました。

WHOの健康の定義によると

身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない。

と記載されています。

医学部にいると、どうしても身体や精神の健康に目を向けがちなのですが、

実際に国ごとを、あるいは地域ごとを比べてみるとそこには社会がもたらしている健康格差が浮き彫りになってきます。

 

この社会の健康というのを留学や離島体験によって初めて理解でき、また、全人的医療の本来の意味を知ることができた気がします。

このような体験が今の城北病院を初期研修先に選ぶこととなった大きなきっかけとなりました。

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