運動することによる抗炎症作用??

寒くなってきましたね。

澄んだ星空に流れ星が見えました。

 

唐突に、皆さん、運動してますか??

全く出来ていない私がいうのはなんですが、、、以前紹介した論文のように金銭的なインセンティブをつけてくれたらいいんだけどー!

 

2011年のNature Review Immunorolyで印象に残るレビューがありました。運動による、抗炎症効果についてです。

The anti-inflammatory effects of exercise: mechanisms and implications for the prevention and treatment of disease

Nature Reviews Immunology volume 11, pages607–615(2011)

上記の論文の最重要ポイントは以下となります。

  • 運動不足は、2型糖尿病、心血管疾患、慢性閉塞性肺疾患、結腸がん、乳がん、認知症、うつ病のリスクを高める。
  • 運動不足によって内臓脂肪が蓄積し、結果的に炎症経路のネットワークを活性化させる。慢性的な炎症は、インスリン抵抗性、アテローム性動脈硬化、神経変性、腫瘍の増大を促進し、その後、運動不足に関連した多くの疾患の発症を促進する。
  • 定期的な運動による抗炎症効果は、内臓脂肪量の減少(それに伴う脂肪組織からのアディポカインの分泌量の減少)、および/または運動のたびに抗炎症環境が誘導されることによって媒介されると考えられている。
  • 運動が抗炎症効果を発揮するメカニズムとしては、筋繊維の収縮によるインターロイキン-6(IL-6)の循環中への放出とそれに伴うIL-10およびIL-1受容体アンタゴニストの循環レベルの上昇。IL-10を分泌する調節性T細胞の循環数の増加。単球におけるToll様受容体発現のダウンレギュレーションおよび下流の反応(炎症性サイトカイン産生、抗原提示、共刺激分子発現など)の阻害。炎症性単球の循環数の減少。および単球および/またはマクロファージの脂肪組織への浸潤の阻害。などなどが考えられている
  • 定期的な適度な運動は、運動しない人と比較して感染症の発生率の低下と関連しているが、エリートアスリートが行う長時間のハードなトレーニングは、これらの人々を感染症にかかりやすくしているようである。

個人的に、運動による抗炎症効果と聞くと、自己免疫疾患などにもどのような効果があるのかな、、と思っていたところに台湾の長庚大学から興味深い論文が届きました。

RCTでの関節リウマチ患者における関節保護と身体活動のための自己管理プログラムの有効性に関する調査です。

Effectiveness of a self-management program for joint protection and physical activity in patients with rheumatoid arthritis: A randomized controlled trial.


Shao JH, Yu KH, Chen SH Int J Nurs Stud. 2020 Aug 19:103752. doi: 10.1016/j.ijnurstu.2020.103752.

背景:関節リウマチは慢性的な全身疾患であり、関節の破壊が進行し、生活の質が低下します。関節の保護は、関節炎と痛みを悪化させる怪我を最小限に抑えることができ、特定の活動は、患者がこの慢性疾患の症状をコントロールしたり、軽減したりするのに役立ちます。

目的:自己効力論に基づいて関節リウマチ患者のための関節保護と身体活動のための自己管理プログラムの有効性を測定すること。

デザイン:2アーム(介入群 対 対照)無作為化試験。

参加者:関節リウマチの成人患者は、台湾北部の医療センターのリウマチ科から募集した。合計224人の患者が包含基準を満たし、研究への参加に同意した。

方法:関節リウマチの有資格者は、関節保護と身体活動の自己管理を行う8週間のプログラム(介入群、n=112)またはリウマチ科の標準ケア(対照群、n=112)のいずれかに無作為に割り付けられた。アウトカム変数は、ベースライン時、介入開始から2ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後に評価され、疾患活動の測定、自己効力感、生活の質、および自己管理行動の自己評価が含まれた。グループ間の経時的なアウトカム変数の差を一般化推定式を用いて解析した;有意水準はp < 05とした。

<追記>具体的な方法としては、8週間のプログラムでは、日常生活や生活の質の向上を最終目標に、経験・知識・技能・責任など参加者の意識向上のための指導を行われ、プログラムの安全性と完成度を確保するために、臨床看護師、リウマチ専門医、理学療法士、看護師研究者からなる専門家による多分野の専門家パネルによってプログラムの評価が行われていました。

結果:参加者の平均年齢は58.8歳、関節リウマチの期間は10年で、ほとんどの参加者(86%)が女性であった。ベースライン時の特徴および評価変数は、両群間で差がなかった。自己管理プログラム開始後6ヵ月の時点で対照群と比較すると、介入群の参加者は身体機能(B = 4.08、p < 05)、痛みに対する自己効力感(B = 4.89、p < 0.05)、および自己管理行動(B = 4.65、p < 05)において有意に大きな改善を示した。

結論:関節保護と身体活動に焦点を当てた自己効力感理論に基づく自己管理プログラムは、介入開始から6ヵ月後に身体機能、自己効力感、自己管理行動の有意な改善をもたらした。看護師が個別に評価や支援を行ったことで、参加者が活動を学び、実行しやすくなったのではないかと考えられる。介入への参加開始後、参加6ヵ月後まで改善は見られなかった。この改善の遅れは、慢性疾患の患者では、ライフスタイルの変化を取り入れるために、自己管理トレーニングの期間を長くし、フォローアップ期間を長くする必要があることを示唆しているかもしれない。長期的な転帰を測定する今後の研究が示唆される。

 

 

前提として

 前半で書いたように、この論文のイントロダクションでは関節の保護と適度な運動は、関節炎管理の重要な側面として認識されていると記載がありました。システマティックレビューでは、関節リウマチ患者は適度な運動の利点についてより多くの情報を必要としていることがわかっています。


 Ryanら(2013)とZuidemaら(2015)は、関節リウマチ患者が適切な運動とリラクゼーション技術を用いて活動と休息のバランスをとる方法を学ぶ必要性を強調しています。

 関節保護を念頭に置いて行われる活動は、関節の痛みを軽減するだけでなく、関節を傷つけるリスクなく機能を向上させ、QOLを向上させるという付加的な利点があります。

 うむうむ。まだ、関節リウマチを治癒させる治療法がない現代において、重要ですね。

 

徒然に

実はこの手の話は、私が1年目に研修していたリウマチがご専門の先生もおっしゃっていました。痛いから動かさない、よりは痛いけど指導に基づいて動かすということが抗炎症作用があるのでしょうか。

そこら辺の詳しいメカニズムを待たれたい。

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